「初仔(はつご)は走らない」「初仔の牝馬は避けるべき」は本当か?3年分のデータから分析

「初仔(はつご)は走らない」「初仔の牝馬は避けるべき」は本当か?3年分のデータから分析
特に一口馬主界隈でよく目にする「初仔(はつご)は走らない」というジンクス。
私も最近一口馬主デビューだったのですが、もしこの説が本当であれば、これから出資馬を検討する際の判断材料になりそうです。
ということで、今回は本当に「初仔は走らない」のかをデータを用いて検証していきます。
データの定義
本題に入る前に、まずはデータの定義について。
初仔とは、文字通り繁殖牝馬が最初に産んだ子のことを指します。
今回は「2022年1月〜2024年12月にデビューし、それ以前に出走した兄弟がいない馬」を初仔と定義し分析していきます。
※JRAのレース結果を集計した独自のデータベースで集計しています
データの前処理が大変だった話
これくらいなら簡単に抽出できるだろうと思っていた矢先、自作したデータベースには未出走の馬が含まれていないことに気づきました🥺
例えば、ステレンボッシュの母ブルークランズの初仔はカークベイという牝馬ですが、カークベイが未出走のまま引退したので、このままだとステレンボッシュが初仔判定されてしまいます。
これでは正しい結果にならないので、netkeibaさんの産駒一覧と照会し、初仔かどうかをしっかり判定しました。(全て目視で確認していたら日が暮れるので、一部機械的に突合しています...)
さらに、海外のセールで購入された馬も初仔かどうかの判定が難しいので、母の登録馬名にアルファベットが含まれる場合は対象外とし、日本の繁殖牝馬のみに限定することにします。
「じゃあ海外から日本持ち込まれた繁殖牝馬で、海外で初仔を出産しているケースはどうなんだ!」等々ありそうですが、言い出したらキリがないのでこの辺で許してください。
とはいえ、ある程度正確性が担保されたデータになっているのではないかと思います。
「初仔は走らない」は本当なのか?
前置きが長くなってしまいましたが、上記の定義に基づいて初仔・初仔以外に分類し、成績を比較してみました。
結果がこちらです。
| 初仔 | 初仔以外 | |
|---|---|---|
| 頭数 | 2,306頭 | 11,666頭 |
| 勝ち上がり頭数 | 647頭 | 3,716頭 |
| 勝ち上がり率 | 28.1% | 31.9% |
| 2勝馬頭数 | 333頭 | 1,859頭 |
| 2勝馬率 | 14.4% | 15.9% |
| 3勝馬頭数 | 140頭 | 820頭 |
| 3勝馬率 | 6.1% | 7.0% |
| オープン馬頭数 | 54頭 | 318頭 |
| オープン馬率 | 2.3% | 2.7% |
| 重賞馬頭数 | 20頭 | 146頭 |
| 重賞馬率 | 0.9% | 1.3% |
やはり全ての指標で初仔の方が低い結果となりました。
勝ち上がり率で最も差が大きく、初仔の方が約4%も低くなっています😥
とはいえ初仔でもG1勝ってる馬たくさんいるしな...と思い2勝馬率〜重賞馬率まで集計しましたが、いずれの指標も初仔の方が低い結果になりました。
「初仔は走らない」はデータで裏付けられそうですね。
初仔は性別で成績に差が出るのか?
また、「初仔の牝馬は避けたほうがいい」「初仔でも牡馬は影響がない」という説もよく目にする気がします。
検証のために、性別ごとに初仔の成績を比較してみましょう。
なお、デビュー時にセン馬だった馬は集計から除外しています。
牡馬の成績比較
| 初仔 | 初仔以外 | |
|---|---|---|
| 頭数 | 1,150頭 | 5,845頭 |
| 勝ち上がり頭数 | 382頭 | 2,136頭 |
| 勝ち上がり率 | 33.2% | 36.5% |
| 2勝馬頭数 | 199頭 | 1,141頭 |
| 2勝馬率 | 17.3% | 19.5% |
| 3勝馬頭数 | 87頭 | 540頭 |
| 3勝馬率 | 7.6% | 9.2% |
| オープン馬頭数 | 43頭 | 222頭 |
| オープン馬率 | 3.7% | 3.8% |
| 重賞馬頭数 | 16頭 | 86頭 |
| 重賞馬率 | 1.4% | 1.5% |
牝馬の成績比較
| 初仔 | 初仔以外 | |
|---|---|---|
| 頭数 | 1,134頭 | 5,717頭 |
| 勝ち上がり頭数 | 261頭 | 1,559頭 |
| 勝ち上がり率 | 23.0% | 27.3% |
| 2勝馬頭数 | 132頭 | 706頭 |
| 2勝馬率 | 11.6% | 12.3% |
| 3勝馬頭数 | 53頭 | 275頭 |
| 3勝馬率 | 4.7% | 4.8% |
| オープン馬頭数 | 11頭 | 93頭 |
| オープン馬率 | 1.0% | 1.6% |
| 重賞馬頭数 | 4頭 | 60頭 |
| 重賞馬率 | 0.4% | 1.0% |
勝ち上がり率でみると、初仔の方が牡馬で3.3%、牝馬で4.3%低い結果になりました。
やや牝馬の方が振るわない印象は受けますが、牡馬・牝馬ともに初仔の方が成績が低いことが分かります。
「初仔は走らない」理由は?
では、なぜ初仔は走らないのかをさらに分析していきます。
定説として「初仔は馬体重が軽いから」がありますが、実際はどうでしょうか。
デビュー時の馬体重分布を比較してみましょう。
デビュー時の馬体重分布
未満400未満
419400-419
439420-439
459440-459
479460-479
499480-499
519500-519
以上520以上
縦軸:割合(%) 横軸:馬体重(kg)
初仔は440-459kg、初仔以外は460-479kgに分布のピークがあることが分かります。
全体的に初仔の方が軽い傾向があることは明らかで、これが成績に影響している可能性が高そうですね。
では馬体重が同程度の馬同士で比較して、初仔と初仔以外の成績差がなくなれば、馬体重が理由であると証明できるのではないでしょうか🧐
ということで、デビュー時の馬体重が480kg以上の馬に限定して比較してみました。
| 初仔 | 初仔以外 | |
|---|---|---|
| 頭数 | 554頭 | 3,740頭 |
| 勝ち上がり頭数 | 206頭 | 1,375頭 |
| 勝ち上がり率 | 37.2% | 36.8% |
| 2勝馬頭数 | 110頭 | 771頭 |
| 2勝馬率 | 19.9% | 20.6% |
| 3勝馬頭数 | 49頭 | 341頭 |
| 3勝馬率 | 8.8% | 9.1% |
| オープン馬頭数 | 21頭 | 147頭 |
| オープン馬率 | 3.8% | 3.9% |
| 重賞馬頭数 | 9頭 | 59頭 |
| 重賞馬率 | 1.6% | 1.6% |
初仔と初仔以外の成績差がなくなりましたね。
勝ち上がり率は初仔が上回り、重賞馬率に至っては全く同じ1.6%です。
つまり、「初仔は走らない」の主要因は馬体重であり、初仔だから走らないのではなく、初仔は軽い傾向があるから走らないのです。
初仔であるかどうかではなく、馬体重で判断すればいいということが分かりましたね。
個人的にもすごく勉強になりました!
まとめ
- 全体傾向でみれば「初仔は走らない」は正しい
- 牡馬でも牝馬でも「初仔は走らない」傾向にある
- 初仔は馬体重が軽い傾向にあり、これが成績差の要因
- 馬体重が重い馬同士あれば、初仔でも成績は変わらない
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